ココロ健康美人ファイル

平岩裕子さんのココロ健康美人ファイル

【第6回】 身だしなみについて(3)

平岩裕子

平岩裕子

  • やまとなでしこ塾主宰。短期大学卒業後、大手百貨店に就職、人材コンサルティング営業、国際線客室乗務員、美容系サロンマネージャーなど、さまざまな角度から人と接する現場経験を積む。「マナーは方法ではなく心を伝えること」を念頭に、現場経験を活かした実践事例に基づいた講演は、幅広い年齢層の女性からの共感・支持を得ている。 やまとなでしこ塾他、企業や公的機関、医療機関でのマナー講座、接遇サービス研修などを実施している。

身だしなみについて、ヘアスタイルは意識されているでしょうか。

髪型は、清潔感や効率、安全性などを考慮して束ねたり、アップしたり、前髪を留めたりと、皆さん工夫されているかと思います。

ヘアスタイルが与える印象

一見すっきりとまとめている髪も、ピンを多用していると安全面で影響があると聞いたことがあります。
前髪をゴムで束ねているのも、髪が顔にかかることなく業務の邪魔にはならないのですが、頭の上で束ねられた髪が噴水のように広がっていては、人前に出るにはふさわしくないと考えられる場合もあります。
または、クリップでゆるくルーズに束ねられていると、どんな印象を与えているでしょう。

毎日の業務でどこまで意識して身だしなみを整えればいいのだろうとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

緊急時に対する備えを意識した身だしなみ

航空機の客室乗務員の場合、服務規則が厳しく、制服着用時には長い髪は毛先がでないようにまとめます。理由は、食べ物を扱うので衛生面での配慮や、見た目の統一感などいくつかありますが、一番の理由は緊急時に支障なく任務を遂行するためです。
たとえば、緊急着陸では90秒で機内のお客さまを脱出させ、安全な場所へ避難させなければいけません。大げさな言い方になってしまいますが、激しく動き回る中で乱れた髪を触る時間も、お客さまの安全性にかかわってしまうのです。ほんの数%の確率の緊急事態に備えて常に意識しつつ、あらゆる理由から制服着用時の身だしなみには注意を払っています。

歯科衛生士さんの就業場所はクリニック、病院などさまざまですが、患者さまに関わるお仕事をされているので、常に緊急時に対応する機会に備えていらっしゃるかと思います。身だしなみについても、相手へ与える印象―信頼感・安心感・清潔感と安全性も含めてさらに高めるために、この機会に少し振り返ってみていただければと思います。