歯科経営者に聴く - ゆかこキッズデンタルクリニック 村岡由佳子 院長(前編)

歯科経営者に聴く(前編)

~第一線で活躍する理事長から学ぶ~

ゆかこキッズデンタルクリニック 外観

 福岡県北九州市戸畑区一枝は花菖蒲の名所である夜宮公園からほど近く、北九州中央公園や到津の森公園も徒歩圏にあるなど、都心部にありながら緑豊かなエリアである。

 ゆかこキッズデンタルクリニックはJR鹿児島本線の戸畑駅から西鉄バスで20分ほどの一枝小学校の向かいにある。心理学の行動療法であるtell show do法を用いた診療を進めている小児専門の歯科医院である。

 今月と来月の2回にわたり、ゆかこキッズデンタルクリニックの村岡由佳子院長にお話を伺った。

村岡 由佳子 理事長

ゆかこキッズデンタルクリニック 村岡 由佳子 院長

【プロフィール】

  • 1973年 山口県 生まれ
  • 1998年 福岡歯科大学 卒業
  • 1999年 福岡県内の小児歯科医院 勤務
  • 2017年 ゆかこキッズデンタルクリニック 開院

【開業に至るまで】

歯科医師を目指されたきっかけについて、教えてください。

父親が歯科医師であり、開業もしていたので、私も歯科医師を目指そうと自然に思っていました。

卒業後の勤務先を選ばれたポイントを教えてください。

幅広いことをするよりも何か一つのことに特化したいと考え、興味のあった小児歯科を究めていこうと決めました。まずは大学に残って勉強し、その後、小児専門の歯科医院に勤務させていただきました。

開業しようと決断したきっかけをお聞かせください。

ゆかこキッズデンタルクリニック 内装

開業をしたいという気持ちは以前からありました。当時の北九州市内には小児歯科が少ないという事情があり、周りの人たちからは「北九州ではあまり需要がないのでは」と心配されていました。しかし、私は複数の小児歯科に勤務した経験があり、小児歯科は近隣の方だけではなく、遠方からも通ってくださるものだと実感していました。それで北九州市内でも問題ないと思っていたのです。私としては小倉地区や八幡地区からも近い戸畑地区で開業したいと考え、探し始めたところ、ちょうど狙っていた場所が見つかったので、「ここしかない」と即決しました。

設計やデザインのこだわりについて、お聞かせください。

ゆかこキッズデンタルクリニック 内装

小児歯科ではお子さんたちが突然、色々なものに手を出したり、動き出すことがあります。そこで、スタッフ皆が診療しながらでも全てを見渡せるように、診療室やカウンセリングルームなどを配置しています。しかし、デザインに関しては小児歯科だからと子どもらしさを意識したものにするのではなく、お母さんたちが寛げるような優しい雰囲気にこだわりました。色合いもお母さん目線で選んでいますので、お父さんたちには申し訳ないですね(笑)。私自身も母親ですので、小児科やほかの小児歯科に行ったときに「こういうのがあったらいいな」「これがあったら危ないな」と実感したことを活かしています。

土足禁止にされているのですね。

私も土足OKの小児科や小児歯科に行ったことがありますし、最初は土足での設計を提案されたのですが、子どもが色々なところを触ったり、そうすると「触っちゃ駄目」と注意したり、周りに気をつけながら見ておかなくてはいけないという実体験があり、土足禁止にしました。お子さんはうろうろしたり、寝転ぶこともあるので、親御さん目線で清潔にしたいと考えたのです。その点は今も満足していますが、オープンなデザインにしたばかりに、診療室での大きな声が待合室にも届いてしまうことがあるので、注意しなくてはいけないなと思っています(笑)。

気になる後編はこちら