歯科経営者に聴く ~第一線で活躍する院長から学ぶ~

医療法人社団信和会 ミズキデンタルオフィス・インプラントセンター横浜 水木信之 理事長

ミズキデンタルオフィスは、JR横浜駅から徒歩4分、大通りに面するビルの3階に4年前のに開業された歯科医院です。昨年7月にはインプラント治療に特化したミズキデンタル第2オフィス・インプラントセンター横浜を本院前のビル5階に開院、日本全国はもとより海外からも患者さんが来院されています。『最良の治療技術とホスピタリティのおもてなし』をコンセプトに《ハッピースマイル&ナイスエイジング!》を目指されていらっしゃる水木理事長にお話を伺いました。

医療法人社団信和会 ミズキデンタルオフィス・インプラントセンター横浜 水木信之 理事長

医療法人社団信和会 ミズキデンタルオフィス・インプラントセンター横浜 水木信之 理事長 横浜市立大学医学部口腔外科臨床教授

プロフィール

  • 1960年神奈川県生まれ
  • 1985年日本歯科大学歯学部卒業、横浜市立大学医学部口腔外科学講座入局
  • 1990年横浜市立大学大学院医学研究科修了、医学博士学位取得。米国マイアミ大学医学部免疫学・口腔外科学講座フェロー留学。
  • 1995年横浜市立大学医学部高度先進医療インプラント治療主任。
  • 1999年同大学医学部リスクマネージャー兼任。
  • 2000年社団法人日本口腔外科学会専門医・指導医。横浜市在外研究員として米国留学。
  • 2004年ミズキデンタルオフィス開院
  • 2005年横浜市立大学医学部口腔外科学講座臨床教授
  • 2006年中国同済大学附属上海第十人民病院顧問。医療法人社団信和会 理事長
  • 2007年ミズキデンタル第2オフィス・インプラントセンター横浜開院
  • 2008年日本歯科大学生命歯学部・インプラント診療科臨床講師兼任
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勤務医時代まで

歯科医師を目指すきっかけはなんだったのでしょうか。

私は横浜生まれで3人兄弟の長男でした。両親がともに歯科医師で、横浜で歯科医院を40年程前から開業していました。ですから小学生の頃には、自分は将来歯科医師になるんだという気持ちが自然に生まれていましたね。親の背中を見て育ったということでしょうか。他の兄弟も同じだったようですが、弟は医師になり現在は横浜市立大学医学部眼科学教室の教授をしており、妹は歯科医師になって実家を手伝っています。

大学卒業後、大学院では何を研究されていたのですか

大学院で私が専門にしていたのは分子遺伝学というもので、今で言うところの再生医療のようなものです。当時形態を司る遺伝子がいくつか発見されたこともあって、歯の遺伝子を顎に植えつけることで永久歯にかわる新しい歯が生えてくるのではないかと真剣に考えていました。横浜市立大学から医学博士の学位を取得後、アメリカ留学の機会を得て、マイアミ大学部医学部から奨学金を頂きながら、分子遺伝学の研究を続けていました。

その頃にインプラントに興味をもたれたと聞きましたが。

歯の遺伝子を埋め込んで新しい歯を造るということは、当時の研究レベルでは夢のような話でまだまだ遠い道のりであることが判りました。丁度その頃から、世界ではブローネマルク教授によりオッセオインテグレーションの概念が浸透してきた時期でもあり、人工の歯根を顎に植えつける技術が長期的に成功している事実に驚かされました。この頃から、世界的に大学を中心としてインプラントの研究や臨床が盛んに行われ始めました。私の留学したマイアミ大学医学部でもインプラントセンターが立ち上げられ、日本に帰国後は横浜市立大学医学部で厚生労働省の高度先進医療インプラント治療の許認可を得ました。その後は高度先進医療インプラント治療主任として長らくチームをまとめる立場となりました。

2度目の留学はどういった目的だったのですか

インプラント治療での咀嚼と全身との関連、口腔と心身との関連に興味を持ち、wife水木さとみさんの口腔心身症とカウンセリングの研究目的もあり、横浜市在外研究員として補完代替医療・アンチエイジング医療の視察でアメリカに2度目の留学をしました。アメリカ国立予防衛生研究所(NIH)、ニュージャージー医科歯科大学、ニューヨーク大学、コロンビア大学、スタンフォード大学などを回って視察しました。この機会に歯科だけの狭い領域ではなく、幅広く全人的な統合医療を見ることができ、とても勉強になり、これが今のクリニック方針に活かされています。

開業まで

開業についてはいつ頃からお考えになられたのですか

医療法人社団信和会 ミズキデンタルオフィス・インプラントセンター横浜20年近く横浜市立大学医学部口腔外科に勤務した後、私とwifeさとみさんの考える新しい患者主体インプラント治療、すなわちコンピュータによる最先端歯科医療技術と、ホスピタリティ歯科医療の両輪を実践したいと思い、開業することにしました。実は自分の将来を考えている時に、wifeにイメージ療法を行ってもらい、自分の5年後の姿をイメージングしたことがありました。その時のことを今でも鮮明に覚えていますが、自分の5年後は大学病院ではなく、開業して院長として思いっきり自由にインプラント治療に専念している姿が映像として浮かびました。幸か不幸かそれが辞めるきっかけとなりました。

資金計画や場所選びもご自分でされたのですか

大学勤務の間にそれなりの貯蓄がありましたので、資金に関してはそれほど苦労はしませんでした。銀行からの融資も満額で受けることができました。問題だったのは開業地でした。「インプラント治療で快適、安心」(NHK出版)という本を全国的に出版していたこともあり、患者さんからの問い合わせが全国からきました。そのため、とにかく交通アクセスの良いところ、首都圏のどこからでも通院できるようなところでと考え、地元である横浜駅を選びました。一生のことなのでテナント業者を何軒もまわって探す日がつづきました。そんな時、たまたま現在の本院のビルでテナントが空いたということを教えてもらい見に行きました。大通りに面する角地で、横浜駅からも徒歩4分でこれはラッキーだと思い、即契約しました。後から聞いた話ですが、以前このビルの別な階に歯科医院が入っていたそうですが、1年も経たぬうちに潰れてしまったそうで、歯科業者によればここで開業するのは難しいとされていたそうです。

開業してスタッフの募集についてはいかがでしたか

当院のコンセプトは『最良の治療技術とホスピタリティのおもてなし』です。治療技術に関してはこれまで大学病院で修練してきたことによりますが、ホスピタリティのおもてなしに関してはスタッフに負うところが多いのが現実です。幸いwifeさとみさんが歯科衛生士の資格もあり、大学病院で心理カウンセラーを行っていましたので、いろいろとサポートをして頂きました。この時ほどwifeのありがたみを感じたことはありませんでした。昔、結婚前の交際当時に、wifeが大学を卒業して丸紅に就職が内定していたにも関わらず、わざわざそれを断って歯科衛生士の学校に行ってもらった経緯がありましたが、今となってはそのことに本当に感謝しています。スタッフ採用に関して重要視したことは、素直な心、コミュニケーションがとれること、ポジティブシンキング、勉強熱心で、患者さんを第一に考えてくれることでした。2004年5月にミズキデンタルオフィスを開業しました。wifeの内助の功と有能なスタッフにも恵まれ、幸い患者さんも増加の一途をたどり、開業3年後には医療法人信和会を設立して理事長に就任しました。インプラントの患者さんも遠方よりたくさん入らして頂きましたので、インプラント治療専門の最先端設備を整えたミズキデンタル第2オフィス・インプラントセンター横浜を本院前のビル5階に同年7月に新たに開院しました。

開業後

『最良の治療技術』とはどういったことでしょうか

医療法人社団信和会 ミズキデンタルオフィス・インプラントセンター横浜横浜市大勤務時代は、高度先進医療インプラント治療の主任として、癌患者術後の再建、腸骨移植術、上顎洞底挙上術、歯槽骨延長術、下歯槽神経移動術などさまざまなインプラント治療の適応症拡大のための手術を多数行ってきました。また社団法人日本口腔外科学会の専門医・指導医を取得しましたが、そのために多くの専門的な症例に携わってきました。現在、インプラントセンター横浜ではインプラント治療に特化して、月に約30~35件、年間約400件のインプラント手術を行なっています。当院では、滅菌手術室、マイクロ顕微鏡、CAD/CAMセレック3D、歯科用デジタルCT、ナビゲーション機器など最先端の医療設備・機器を備え、診査・診断を確実に行い、コンピュータを用いた正確で安心・安全な手術を行っています。

具体的にはどのようなことをされていますか

診療室は全て個室でプライバシーに医療法人社団信和会 ミズキデンタルオフィス・インプラントセンター横浜配慮したつくりになっています。セファロ・パノラマ一体型CT機器(プランメカ社:GC)を日本で最初に導入しました。院内はオンライン化されており、院内どこにいてもすぐにカルテやCTレントゲンを確認し、患者さんに情報提供できる体制をとっています。手術室には滅菌した空気が流れてくる、「NASA規格クラス10,000の設備」を導入しています。これによって、手術室内の粉塵が1立方メートル辺り10,000未満にでき手術室全体が滅菌されます。手術室のライトも「天井埋め込み型無影灯」を設置してあります。手術では、今どこを手術しているのかリアルタイムで分かるコンピュータ制御の「IGIナビゲーションシステム」や「サージガイドシステム」を取り入れているため、手術自体も短時間で正確に安全に行うことができます。また最新式外科装置の「ピエゾサージェリー」を使用することで、骨の切除も短時間で可能となり、術後の痛みも少なく、傷の治りも早くなります。さらにフラップレスやグラフトレスなど低侵襲手術を行うことにより、出血の少ない、痛みのない、腫れない、早期に噛める、患者さんに優しいインプラント治療を提供しています。

医療法人社団信和会 ミズキデンタルオフィス・インプラントセンター横浜『ホスピタリティのおもてなし』についてはいかがでしょうか
患者さんの立場に立ってみますと、手術前は多かれ少なかれ不安や緊張が伴います。こうした患者さんの不安や緊張を少しでも和らげるために、手術前に五感のリラクゼーション、すなわち味覚(ハーブティー)、嗅覚(アロマセラピー)、聴覚(ミュージックセラピー)、視覚(ヒーリング映像)、触覚(バイブレーション)を取り入れています。ヒーリングルームで行われる心身医学に基づくリラクゼーションは、呼吸や血圧を安定させ、不安の除去と筋緊張を緩和させ、自律神経系のバランスを整えることで、手術に向けて最も安定した状態にしていきます。このヒーリング効果に関しては、元東京医科歯科大学口腔心身医学教室の臨床講師で心理セラピストの水木さとみ先生の医学博士論文の研究でも実証されております。そして私とwifeのコンセプトが両輪となって、患者主体インプラント治療を理念に掲げた新しい形のインプラントセンターを構築しております。われわれのインプラント治療の最終ゴールは、患者さんが「美味しい食事、素晴らしい笑顔、楽しい語らい」を取り戻すことができ、健康でハッピー&ナイスエイジングな人生を送る支援をさせて頂くことです。

開業に向けてのアドバイス

私の好きな言葉は「ローマは1日にして成らず」です。何事も焦らず着実に行うことが成功への近道と確信しております。開業には保険診療から、審美・矯正・インプラントなどの自費診療まで、オールマイティにこなせるようになることも必要ですが、さらに差別化できる自分の強みを1つ持つことが最も大切なことと考えています。患者主体歯科医療を理念に掲げ、あくまで患者さんの目線でホスピタリティー溢れる歯科医院経営を行うこと、そのためにはスタッフとのチーム医療を構築することが重要と考えています。

【タイムスケジュール】

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