歯科経営者に聴く 〜第一線で活躍する院長から学ぶ〜
口腔から全身を見る/森田歯科医院 森田浩章 先生

森田歯科医院 森田浩章 先生

森田浩章 先生
森田歯科医院

高齢化社会を迎え、歯科の患者さんにも様々な疾患を抱える方が増えています。歯科医師も、口腔から全身を見る力量が問われています。また歯科は「最も身近なお医者さん」であり、全身疾患の徴候をいち早く掴み得る立場にもいます。
今回は、大学病院の口腔外科で医科との連携に取り組んでこられた森田歯科医院の森田浩章先生にお話を伺いました。

1.医科との連携

「一般歯科では主に口腔内の硬組織を診ますが、口腔外科では軟組織から硬組織までを幅広く対象とします。とりわけ、舌腫瘍、歯肉腫瘍など口腔内の粘膜に生じた疾患を診ることになります。研修医の時に腫瘍で顔面の半分を失った患者さんを診察する機会があり、非常にショックを受けると共に、この分野に魅了されました。」

「スケールの違いを感じ、一般の歯科では得難い経験をしました。」

「例えば歯科では、浸潤麻酔に使う塩酸リドカイン製剤には、麻酔を局所にとどめるために血管収縮剤としてエピネフリンが添加されています。エピネフリンには血圧を上昇させる働きがありますが、1ccに0.0125mgという極微量が含まれているに過ぎません。血圧上昇が見られたとしても、エピネフリンの影響よりは乱暴な浸麻による疼痛や心理的要因で内因性カテコラミンが増加していることも考慮すべきと思います。」

2.医科との連携

「色々な意見がありますし、軽々なことは言えません。しかし司法が実際の医療の中身をよく理解していない面が否めない気がします。法律で切り分けて、患者さんに本当に必要な人材の育成を妨げてしまっているのではないか、とも思えます。」

3.開業医として

森田歯科医院「ある大学病院には本当に尊敬できる先生がいらっしゃいました。日々寝る間も惜しんで勉強し、親知らずの抜歯一つでも『自分が呼ばれたのだから』と自ら手掛けられていました。その方を手本として地域医療に微力ながら貢献したいと思い、平成13年にせんげん台に森田歯科医院を開設しました。」

「大学病院は歴史や知名度ががあり、また患者さん自身の意識が高い方も多くいらっしゃいます。治療上一時的な苦痛があったり、時間がかかったとしても理解して下さいますし、理想に近い形で診療を進められます。しかし一般的には『とりあえず痛い所や気になる所だけ』という方もおられます。ニーズに合わせた治療を提供していくことも大切です。」

「また注意深く根気よく観察すれば、例えば糖尿病や免疫疾患などの全身疾患の徴候を発見する良い窓口と認識し、患者さんとの信頼関係を築ける機会と考え、治療にあたっています。」

4.これから

「長期的に患者さんの口腔をケアしていきたいですし、そのためにはは患者さん一人一人に合った治療方針を提案し、納得して頂いた上で治療を進めていく努力をしております。」

「最後になりますが、尊敬している先生や、御世話になった方々に恥ずかしい思いはさせたくないですね。それだけは胸に刻んでいます。」

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