歯科コラム ~「地域で一番の歯科医院になる!」~
経営戦略研究所 株式会社 歯科医院地域一番実践会 岩渕 龍正 代表
大学ではマーケティングを専攻し、大学で学んだマーケティングを活かせる企業として、大手経営コンサルティング会社に入社。 入社後は、サービス業のチームで修行後、自ら、歯科医院経営活性化プロジェクトチームを立ち上げ、人脈なし、ノウハウなし、経験なし、の状態から、続々と地域一番医院を創り上げる。 2005年、経営戦略研究所株式会社、代表取締役社長に就任。歯科医院に対する経営コンサルティング業務を行うと共に、歯科医院地域一番実践会を主宰。 地域一番を目指す、志の高い、厳選された300医院が全国から参加。 歯科医院の現場に密着した経営コンサルティングを信条とし、机上の空論に終わらない、結果が出るコンサルティングを目指し、現在も、クライアント共に日夜、格闘している。年齢不詳、横須賀市生まれ。動物占いは「統率力のあるライオン」。

経営戦略研究所 株式会社 歯科医院地域一番実践会 地域一番化マスター 岩渕 龍正 代表
プロフィール
- 学習院大学経済学部経営学科卒業。
- 大学ではマーケティングを専攻し、大学で学んだマーケティングを活かせる企業として、大手経営コンサルティング会社に入社。
- 入社後は、サービス業のチームで修行後、自ら、歯科医院経営活性化プロジェクトチームを立ち上げ、人脈なし、ノウハウなし、経験なし、の状態から、続々と地域一番医院を創り上げる。
- 2005年、経営戦略研究所株式会社、代表取締役社長に就任。歯科医院に対する経営コンサルティング業務を行うと共に、歯科医院地域一番実践会を主宰。
- 地域一番を目指す、志の高い、厳選された300医院が全国から参加。
- 歯科医院の現場に密着した経営コンサルティングを信条とし、机上の空論に終わらない、結果が出るコンサルティングを目指し、現在も、クライアント共に日夜、格闘している。年齢不詳、横須賀市生まれ。動物占いは「統率力のあるライオン」。
第3回 新人スタッフ教育のポイント
多くの歯科医院では4月に新人スタッフが入社されたことと思います。そろそろ、新人スタッフが入社して3ヵ月が経過し、試用期間が終わり、常勤スタッフになっているのではないでしょうか。しかし、多くの歯科医院では「最近の新人スタッフはやる気がない」「覚えようとしない」などの声が聞かれます。このような問題を解消するにはどうすればいいでしょうか。今回は新人スタッフ教育のポイントをお伝えします。
【1.仕事のやり方ばかり教えてませんか?】
先生の歯科医院では新人スタッフが入って、先ず、最初に教えることは何ですか?
大半の歯科医院では新人スタッフに最初に教えるのは「仕事のやり方」です。
「片付けのやり方はこうです」
「洗い物のやり方はこうです」
「超音波洗浄機の使い方はこうです」
「滅菌はこのようにしてください」
「この器具はここに置いてあります」
「CR充填のアシストのやり方はこうです」
これらのことは必要なことではありますが、全て「仕事のやり方」です。
このようなことを教えていると「仕事のやり方」は覚えるかもしれません。
しかし、最も大切なことを教えていないので、問題を先送りにし、問題を肥大化させてしまっているのです。
しかし、その問題はすぐに表面化しないために気付かないのです。
そして、同じような間違いを知らずに何度も繰り返している医院がほとんどなのです。
しかも、このような間違いを何度も繰り返していると、医院のレベルがいつまで経っても上がらないという大きな問題に直面してしまうのです。
【2.大きな問題とは何か?】
仕事のやり方ばかりを教えていることで、後々、大きな問題となって表面化するのはどのような問題でしょうか?
仕事のやり方ばかりを教えていると、確かに目先、仕事はできるようになります。入ったばかりの新人スタッフは仕事ができないことが誰の目から見ても明らかです。ですから、仕事ができない間は仕事ができるようになろうと、頑張ります。
しかし、最低限の仕事ができるようになると途端に頑張らなくなります。
そして、それ以上の練習も勉強もしませんし、医院が新しいことに取り組もうとすると
「どうして、そんなことをしないといけないんですか?」
「そんなことやって、何の意味があるんですか?」
「それはできません」
「今だって、大変なのに、そんなことはできません」
というようになってしまうのです。
そして、最終的には「先生、ちょっといいですか?」という最も聞きたくない言葉を言われてしまうことになるのです。
このように大きな問題として表面化してから、問題に対処しても時間と労力がたくさんかかる割には、ほとんど成果は得られないのです。目先、問題解決のために時間と労力を使って話し合って、何とか納得したような感じがしても、時間が経つとまた同じような問題が発生するし、それが他のスタッフでも同じような問題が起き続けるのです。
なぜなら、根本的な問題がなにも解決していないからです。そして、このような問題がいつまでも起き続けていると、スタッフのレベルが上がりませんので、必然的に医院のレベルも上がらないという結果になるのです。
【3.どうすれば根本的な問題解決になるのか?】
このような問題を根本的に解決するには「仕事のやり方」ではなく、「仕事のあり方」を教えることが必要なのです。「仕事のあり方」とは何でしょうか?
それは「何のために仕事をするのか?」という仕事観です。この仕事観がズレていると、そのズレは最初は小さなズレであったとしても、時間の経過と共に、大きなズレとなって、大きな問題として表面化するのです。そして、表面化した大きな問題の根本には仕事観の大きなズレがあり、そのズレはもはや、修復不可能なほど、大きくなっているのです。
ですので、この仕事観のズレは新人スタッフの時に修正しておく必要があるのです。もちろん、採用時点で仕事観がズレてない人を採用することが大切です。しかし、どんな人でも、若干のズレはあります。それを新人スタッフの時に、徹底して伝えることで最初にズレを修正しておくのです。
他にも、髪の毛の色、髪型、爪の長さ、通勤時の服装など、医院の決まりごとも新人スタッフ研修の際に、徹底して伝えておくことが重要です。このような医院の決まりごとも最初に徹底して伝えておくことで、「聞いてません」「知りませんでした」という問題を回避することができるのです。問題が起きてから、それについて対処するのでは遅いのです。
これまで起きた問題はこれからも起きる可能性があるわけですから、問題が起きる前に対処しておくことで同じような問題を二度と起こさないことが可能になるのです。
しかし、このような「何のために仕事をするのか?」という仕事観を徹底して伝えようと思うと、3時間から4時間は時間が必要となります。診療を休んでそこまで伝えることは現実的に考えると非常に難しいです。だからこそ、このようなことをきちんと理解して、新人スタッフに伝えてくれるチーフの存在が重要になります。
ただ、そこまでしっかりとしたチーフがいない医院の方が多いと思います。そのような医院の場合には、弊社で行っている新人スタッフ研修などに新人スタッフ、チーフスタッフ、院長先生が一緒に参加していただくとよろしいかと思います。
【4.正しい仕事観とは何か?】
何のために仕事をするのか?
この答えは全員がバラバラでは強い組織はできません。個人の性格や趣味はバラバラでも構いませんが、この仕事観だけは唯一、絶対に医院の中で統一されている必要があります。
では、どのような仕事観が正しい仕事観なのでしょうか?それは以下の「3つのため」がどれかに偏るのではなく、バランスよく確立されている状態です。
(1)自分の成長のため・・・社会に出てからは自分を成長させることができるのは仕事だけになります。遊びで自分を成長させることはできません。
(2)患者様のため・・・患者様の幸せのため、患者様の口腔内を守るために仕事をしてるはずです。しかし、ほとんどの人は患者様のためを考えていません。
(3)医院の発展のため・・・全ての組織はその組織をもっと良くしていくために人を採用しているのです。採用された人にはその組織を良くする義務があるのです。
この「3つのため」以外に「お金のため」「生活のため」があるのです。それは当たり前であり、誰でも共通です。しかし、「お金のためだけ」「生活のためだけ」に仕事をしてはいけないのです。そのような人が1人でも組織の中にいれば、その組織は確実に弱い組織になって行ってしまうのです。
上記のような新人スタッフ教育を行うことで、新人スタッフの定着率、勤続年数、仕事への意識が上がってくることになります。何もしなければ、今の現状を打開することは難しくなります。是非、実践してみてはいかがでしょうか。
あなたの歯科医院では新人スタッフに仕事のやり方ばかり教えてませんか?
―歯科医院新人スタッフ研修追加講演のお知らせ―
今回、お伝えした仕事観を新人スタッフにチーフがしっかりとお話ができている医院にはこの新人スタッフ研修は必要ないと思います。
しかし、まだ仕事観について、新人スタッフに時間をとってしっかりと話をすることができていない医院様はこの新人スタッフ研修に参加されることをオススメします。
この新人スタッフ研修は5月に開催し、参加者が多数になったため、キャンセル待ちになり、7月に追加講演が決定したほどのセミナーです。
この新人スタッフ研修は基本的に年に1回しか行っていません。しかし、新人スタッフへ4月以外にも入ってきます。弊社のセミナーに参加しないと仕事観が伝えられない状態ではなく、是非、院長先生・チーフスタッフの方が院内でこのような研修をどんどん出来るようになっていただきたいのです。
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