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【第2回】 カナダの歯科事情

楠原史子

楠原史子(くすはら ふみこ)

  • 1977年 三重県生まれ
  • 2002年 愛知学院歯学部卒業
  • カナダ、サイモンフレーザー大学通訳翻訳コース終了
  • 開業医にて勤務する傍ら、通訳、翻訳業に携わる
  • 2008年~2010年 カナダ、ブリティッシュコロンビア大学勤務
  • 在加中ヨガインストラクターの資格を取得し、歯科関係者および患者の姿勢矯正を中心に、ヨガを教える

2011年、皆さんはどのようなスタートを切られましたか?

新しい年を迎えるにあたって、色んな目標をたてられたことでしょう。

きっとその中に「語学」や「留学」が入ってる人もいるんじゃないかな?と言う訳で、今回は私が留学していたカナダの歯科事情について少しお話したいと思います。

まず、カナダと日本では保険制度が大きく違います。医療は国が全額負担してくれるので、患者の負担は「0」なのですが、歯科は例外でこの制度が適用されません。患者は個人的に保険に入る必要がありますが、とにかく日本と比べて歯科の治療費が高い!普通抜歯に6万円なんてこともざらです。

そのため予防に重点を置いていて、6カ月のリコールは欠かしません。医院によっては無断で予約をキャンセルすると$50の罰金を取られたりするので、患者は会社を休んででもちゃんと予約は守ります。

一般的にカナダでは一日の診療件数が少ないので、クリーニングの患者さんでも余裕をもって予約を取ります。ですから時間をかけてしっかりお掃除できると同時に、インフォームドコンセントもしっかり行われています。カナダは患者さんの歯科に対する知識が高く、積極的なので、どんどん質問されます。そのような質問に対処できるよう、医療者側も普段から知識や技術を磨き、患者様に満足してもらえる診療を提供しているのです。

カナダで「歯科衛生士」はとても人気のある職業で、地位も確立されています。高い競争率を勝ち抜いて学校に入っても、必死に勉強しないとすぐ落第してしまいます。残念ながらカナダの国家資格がないとあちらで歯科衛生士として勤務することはできませんが、日本にいても近年は海外からの患者様と接する機会が増えています。そんな時、自信を持って外国に負けない日本のサービスを提供できるように、私達も日頃から頑張りましょうね。近年バンクーバーでも日本人医療関係者を対象にした医療英語プログラムを提供する学校が増えてきました。色々なプログラムがありますが、インターン制度が充実しており、実際の臨床で使えそうな内容に重点をおいた下記のようなプログラムはお勧めです。

『医療通訳イントロダクションプログラム』 私も医療通訳、翻訳者をしていますが、バイリンガルでない私にとって完璧な英語を使うことは何年たっても至難の業です。でもそれでいいんです!

もちろん翻訳などは正確さが求められますが、患者さんとのコミュニケーションで大切なのは言葉の完璧さではなく、「心」なのですから。間違ってもいいから皆さんの笑顔で患者様を安心させてあげてくださいね。

お力になれるかどうかわかりませんが、もし語学や留学のことで質問があれば、お気軽にメッセージ下さい。