ウキウキ・ワクワク・キラキラ

【第6回】 喫煙と受動喫煙の害

高井悦子

高井悦子 (たかい えつこ)

  • 出身:
    日本歯科大学附属歯科専門学校 (現日本歯科大学東京短期大学)

    企業歯科診療室勤務後、結婚・出産にて3年ほど休職。
    その後企業検診、クリニックへのパート勤務、地域歯科保健に従事。
    フリーランスとして一度に数件のクリニックに勤務の傍ら、専門誌への登壇、セミナーや企業への企画提案を行っている。
    日本歯科衛生士会会員・日本審美歯科学会会員。

    U→ウキウキW→ワクワクお仕事を楽しんでK→キラキラした人になる。
    そんな前向きな気持ちを持つ歯科衛生士さんを増やしたくて『スマイルブランUWK』を発起。現在チームリーダーを務めている。

先月の5月31日は世界禁煙デーでしたね。日本では5月31日から6月6日までの1週間が禁煙週間となっているのをご存知ですか?


世界の喫煙者は10億1,000万人もいて、約5人に1人の割合となっている。恐ろしいことに毎年世界で300万人が喫煙が原因とみられるがんや心臓病で亡くなっているそうです。WHOでは「このままでは2030年代初頭には喫煙による死亡者が年間1,000万人に達する」と警告しています。

今回は喫煙と受動喫煙に関して考えてみたいと思います。
受動喫煙は、主に急性影響によって、目のかゆみ、目の痛み、涙、瞬目、くしゃみ、鼻閉、かゆみ、鼻汁、のどの痛み、頭痛、吐き気、咳、喘鳴、呼吸抑制、指先の血管収縮、心拍増加、皮膚温低下を引き起こす。…(中略)慢性影響により、がん、心臓疾患及び呼吸器系疾患などの様々な疾病の危険が高まる。予防医学の観点からも受動喫煙の防止が社会的に求められている。

WHOによると、全世界で、受動喫煙によって毎年数十万人の非喫煙者が死亡しており、各国における包括的な疾患データが最も揃っている2004年で受動喫煙を原因とした全世界の死亡人数は、推定約60万人である。WHOによれば職場の受動喫煙によって毎年世界でおよそ20万人の労働者の命が奪われている。 (ウィキペディアより一部抜粋)

【受動喫煙により心配されること】

1.子供ほど喫煙者の親から子への影響が多い。(怖いことに喫煙した親の服に着いた煙が影響を与える場合もある。)
2.家庭と仕事場で多い。(喫煙者の住む家の浮遊粒子は、非喫煙者ばかりの家の倍以上の濃度にのぼる。)
3. 健康への影響。(喫煙者と同居する非喫煙者の死亡率は有意に上昇する)
4.受動喫煙の問題点。(建物内では換気系統を分けたり換気や喫煙区域設置する「分煙」によっても受動喫煙をなくす事は不可能。)
5.新生児や乳幼児は環境に極めて受動的。(自発運動ができず呼吸器や中枢神経などが発達途上であり身体的な影響を受けやすい。胎児も影響を受ける。)

私たち大人であっても呼吸器官が弱く敏感だったり、肺の持病を持っている人やタバコアレルギーがある人の場合は受動喫煙だけでも命に関わる危険性もあるなど目に見えることばかりではなく見えないところにも影響はあります。

確かに私はこれに当てはまるので、大げさではないですが電車の中で近くにいる人が吸った直後だったり、道路の反対側で路上喫煙をしている人がいたり、タバコを吸っている車が側を通るだけでセキが出はじめてしまいます。なぜか、とくに雨の日は強く感じます。同じような経験のある方もいらっしゃるのではないですか?

また、私たち歯科医療従事者が忘れてはいけないのが『喫煙と関係のある口腔疾患』です!
教科書的にわかりやすくまとまっている表を掲載しますので、ぜひ患者さんへの禁煙指導をする時に参考にしてみてください。


また、かなりの量になりますが一度こちらも目を通しておくと面白いかもしれません。
「禁煙ガイドライン(2010年改定版)」

乳歯とウ蝕の関連性は諸説ありますが、唾液との関係が深いと見られていますよね?

2009年大阪で行なわれた小児歯科学会で発表された、岡崎好秀・岡山大講師は煙からの防御反応で歯肉が黒ずむのではないかとみている。また、たばこの煙によって唾液の量などが減り、虫歯の原因となるミュータンス菌が増えた疑いがあるという。口の中の細菌の特徴から虫歯になる危険度を調べると、最も危険度の高いグループの6割は家族に喫煙者がいたが、低いグループでは4割にとどまっていた、と仰っています。(一部紹介)
ですがまだ、因果関係ははっきりしないそうです。

妊婦と喫煙、その後生まれてくる子供への肥満と糖尿病についてイギリスで発表された記事もあります。未来の大切な子どもたちに悪影響を与えないためにも禁煙はこころがけたいですよね。