歯科経営者に聴く(後編)
~第一線で活躍する院長・理事長から学ぶ~
地域に寄り添い、親子を中心とした患者様の未来の健康づくりに力を注いできたひらの歯科クリニック。予防歯科を軸に据え、「健康な方を健康なまま守る」ことを大切にしながら、子どもから大人まで安心して通い続けられる医院づくりに取り組んできた。日々の診療を通じて地域とのつながりを深め、「予防が当たり前になる社会」の実現を目指している。
今回は、先月に引き続き、ひらの歯科クリニックの開業に至るまでの歩みや診療に込めた想い、スタッフとともに築く医院運営の工夫、そしてこれからの歯科医療の在り方について、平野理事長にお話を伺った。
医療法人社団 BEAUTIFUL SMILE ひらの歯科クリニック 平野 由香 理事長
【プロフィール】
- 1974年神奈川県 生まれ
- 1997年日本大学松戸歯学部 卒業
- 2012年「ひらの歯科クリニック」開設
- 2024年分院開設
【スタッフ採用・教育】
最初にスタッフを採用する時、どのような基準を重視しましたか。
素直で前向きであることです。
あとは、コツコツタイプなのか積極的にアイデアを出すタイプなのか、チームワークが得意なのかなど、面接でのヒアリングで見極めるようにしています。
スタッフの育成・教育はどのように行っていますか。
最初の1ヶ月は自分のアポイントを空けて、マンツーマンで教える時間を多く作ります。スタッフに対しても時間割りで誰が何を教えるか決めています。
その後、徐々に患者さんを診てもらい、3ヶ月目くらいから本格的に患者の担当を考えていきます。実力によっては早まる場合もあります。
衛生士の指導に関しては、基本的には衛生士が全部行っています。
スタッフとのコミュニケーションで、最も大切にしているのはなんでしょうか。
挨拶や声がけですね。
あとは、失敗した時にそれをどう次に生かすか、というところに重点を置いて話をします。失敗は誰にでもあるので、反省があれば怒るのではなく、次に繋げる話をします。
スタッフが働きやすい環境づくりの為に注意されていることはありますか。
医院の決め事をする時に、スタッフを巻き込んで決定するようにしています。夏休みやゴールデンウィークの休日予定なども、ミーティングでスタッフに決めさせたり一緒に決めたりします。
トップダウンではなく、8割9割の人ができるような決まり事を作っています。
【今後の展開】
今後の経営の展開について伺わせてください。(取り入れたい事など)
分院展開は今は考えていませんが、スタッフが産休・育休から戻ってこれるような病院作りを考えています。
生活と働き方を考えてうちに戻ってこられるように、ユニットを増やすなどの雇用場所の確保を考えています。
今後、歯科業界はどのように変化していくと想像されますか。
AIに取って代わられると言われますが、歯科医師や衛生士の業務のすべてが代わることはないと思います。
だからこそ、人を育てられる医院を構築し、歯科医師・衛生士を「なりたい職業」にするために注力すべきだと思います。
自分も子供をみているので、疾患自体はむし歯や歯周病自体は減っていると感じています。ただ、口腔機能管理(高齢者の管理や幼少期の発達管理)や、疾患の管理というところで、しっかりできる人材が国から求められると感じます。
転職や開業を考えている先生方へのアドバイスはありますか?
行った先々の先生の考えから学べることは絶対にあるはずです。
「合わない」とすぐに答えを出すのではなく、良い点も悪い点も自分の力として拾ってほしいと思います。
休日やオフの時間に行っている、リフレッシュ方法や趣味を教えてください。
友人と話をすることや、早起きしてカフェでモーニングを食べることです。カフェで「病院を今後どうしようか」と考えるのはストレスではなくむしろ好きなので、そこで発想をリフレッシュしています。
あとは海へ行くこともあります。