歯科経営者に聴く ~第一線で活躍する院長から学ぶ~

医療法人 世航会 中島 航輝 理事長

医療法人 世航会

中島航輝理事長は、1年365日の大半を医療法人社団世航会グループのオフィスで過ごす。努力すれば報われることを信じ、スタッフに対しては「成果には報酬で応える」。世田谷区を中心にグループ展開し、2007年以来、次々と分院を開設。中島理事長は5つのクリニックを巡回しながら患者さんとの対話を密にして、最高の治療方針へと導く。この目標を達成するため、設備と技術は常に最先端を心がける。すなわち大学病院と変わらない最先端の歯科治療を提供しているのである。完全個室の診療室、ミッドセンチュリーの家具が落ち着いた空間を演出する待合室。夜9時までの診療というのも患者さん本位の姿勢を貫いた結果である。これから開業をめざす歯科医師、新たな職場を求める有為な人材にとって魅力あるクリニックの1つ。それが医療法人社団世航会グループである。

医療法人 世航会 中島 航輝 理事長

医療法人 世航会 中島 航輝 理事長

プロフィール

  • 1979年 大阪府生まれ
  • 2002年度 明海大学歯学部 卒業
  • 2007年~2010年 世田谷デンタルオフィス 千歳台インプラントセンター 開院
  • 白金デンタルオフィス プラチナ通りインプラントセンター 開設
  • 白金セラミックセンター 世航会専用歯科技工所)設置
  • デンタルオフィス東京ベイ 有明 インプラントセンター 開設
  • 世田谷デンタルオフィス池尻大橋 インプラントセンター 開設
  • 世田谷デンタルオフィス祖師谷大蔵 インプラントセンター 開設
  • 2008年 医療法人社団 世航会 設立
  • 【所属学会など】
  • 日本顎咬合学会 専門医
  • ブローネマルクオッセオインテグレーションセンターセミナー修了(50期生)
  • 斎藤指導塾修了(3期生)
  • ノーベルバイオケアインプラント サーティフィケート
  • 3iインプラント サーティフィケート
  • SPIインプラント サーティフィケート
  • 日本口腔インプラント学会所属
  • 日本審美歯科学会所属
  • 日本補綴歯科学会所属
  • UCLAインプラントアソシエーション所属
  • (厚生労働大臣)長妻昭未来創造塾 3期生(2010年度)
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【開業に至るまで】

歯科医師をめざした経緯について教えてください。

実は工学部の建築学科をめざして受験勉強をしていたのですが、たまたま推薦枠に歯科があり、祖父が歯科医師だったこと、親戚にも歯科医師が何人かいたので、進路変更をして歯科大学に決めました。祖父が歯科医師だったといっても私が生まれたときは亡くなっていたので、歯科のことは右も左もわからず、入学してから知ったくらいで・・・。
でも今は、あの時歯科を選んで良かったと思っています。

大学ではどのような過ごし方をされましたか。

アメリカンフットボールに没頭していました。ポジションはラインバッカーです。明けても暮れてもアメフトのことばかりという毎日でした。人並みはずれて足が早いというわけでもなかったのでウエイトトレーニングに励みました。筋肉をつけて体力で勝負しようというわけです。水泳が趣味で中学時代は大阪でも少しは名前の知られた選手でした。姉がアトランタオリンピックのシンクロナイズドスイミングでメダリスト(銅メダル)だったし、私も水泳で高校に推薦入学できましたが、

医療法人 世航会高校生くらいになると、もって生まれた体格差はどうしようもなく、水泳の選手になることはあきらめました。そんなわけで大学に入るまでは個人技だったので集団プレーは魅力的でした。大げさに言えば人格形成に影響を受けましたね。18歳で始めた頃は本当にまだ頭が子供ですよ。それが、集団プレーをすることで、上下関係、横の繋がり、そのためのコミュニケーションの重要さを体得できたと思います。
それと「やれば報われる。努力すればそれなりの結果がついてくる」ということもアメフトを通じて学んだように思います。

学業はいかがでしたか。

アメフトにのめり込んだ学生時代でしたが、勉強はかなりやったつもりです。他の学生が遊んでいる時に勉強しました。スポーツでも遊びでするのは好まないので、選手登録をして結果を追求するタイプなんです。勉強も同じで結果を残さなければだめだと考えていました。勉強すれば良い成績がとれる。そういう意味では勉強は楽でした。

大学院ではどのような研究をされたのですか。

補綴分野の1つでクラウンブリッジの研究をやりました。歯科医師として日常診療を長くやると研究する時間がなくなります。研究は若いうちしかできないので大学院に進学しました。小児歯科、矯正歯科、口腔外科、補綴歯科の中で何を選ぶか考えたとき、構造物の研究が合っていると思い補綴学を選びました。建築学科をめざしたこともあるくらい構造物に関心が高かったので高い精度が求められるクラウンブリッジの研究はおもしろかったですね。
大学院時代は、我ながらずいぶん勉強したと思います。朝は一番で登校し、帰りは午前1時、2時くらいまで勉強しました。研究の多くは夜行い、昼間は大学病院で診療活動、空いている時間は開業医でアルバイトをしました。そういう生活が1年くらい続き、まさに没頭しました。コンプレックスをもちたくないという気持ちが強かったので、できないことを無くしたいという思いで勉強しましたし、歯科技術も磨きました。患者さんに怒られる。嫌だ。練習する。結果がでる。全て自分を基準に考えての行動なので黙々と頑張れるわけです。歯科の勉強や技術は努力すれば必ず報われます。

随分早い開業と分院展開だと思いますが、そこに不安はありませんでしたか

大学院時代に診療経験もありましたし、歯科医師としての自信もありました。ある時、知人のクリニック立上げに携わり、かなりの自信をそこで感じたのが開業に踏み切った動機だと思います。2007年に世田谷区千歳台で開業してから5軒のクリニックを開業しました。開業するにあたって自分なりに診療圏調査をしましたが、人の流れはちょっとしたことで変わります。調査をしても実際には開業してみないとわからないことが多いのです。重要なのは地域の方々に信頼されるクリニックになるために何をするかです。私は努力すれば必ず報われることを信じていますから、その方針で貫いていきます。
現在は、各クリニックを巡回して診療していますが、ネットワークカメラを設置しているのでどこにいても各施設の状況を把握できます。
基本的に朝9時から診療を開始して夜は診療にともなう雑事に追われて1年中働いてばかりです。最近は少しスタッフに任せるところもありますが、レセプトからスタッフの給料計算までほとんど1人でやっています。さぞかし大変だろうと思われますが、今は良いソフトが開発されているので人が思うほど大変ではないんです。千歳台で開業してから毎年のようにクリニックを増やしてきましたが、おかげさまで経営も順調にきているように思います。

内装には相当のこだわりがあるようですが。

建築関係に興味があり、大学は建築学科に進もうと思っていたくらいですから、平面図は自分で引きました。スタッフと患者さんの動線を分離して機能性を考慮した設計になっています。私はミッドセンチュリーが好きなので家具も1960年代の雰囲気をだしクラシックモダンにしています。中でもフランスで活躍したル・コルビジェの家具が好きなので、世航会グループの医院にはすべてコルビジェのソファを置いています。それからアキーレ・カスティリオ―ニの照明器具もすべてのクリニック共通で統一感をもたせています。診療室は天井まで壁で仕切られた完全個室とし、患者さんのプライバシー保護に配慮しました。さらに、歯科特有の匂いや粉塵がこもらないように24時間換気システムを導入しています。
白金は2階なのでお年寄りには優しくない、ですので次から全て1階にしました。

【経営理念】

経営理念についてお聞かせください。

それぞれのドクターの考えを大事にしてあげたいと考え実行しています。私は経営者ですが、

自分の考えを押し付けません。クリニックのルールも、何かあれば直ぐに改善していく姿勢をとっています。スタッフ全員にiphoneを支給して、一斉に全員とコミュニケーションがとれる体制をとっています。
経営理念として言えば、「技術」「コミュニケーション」「先進医療機器の取り扱いが完璧である」、この3つを要に運営しています。

【診療方針】

子どもの頃、夜間に治療中の歯が痛くなって歯医者を探しまわった辛い経験があり、いつでもやっている歯医者の存在は患者さんにとって貴重だと思い、無休で夜9時までの診療を目指しています。その上で良質の材料を用い専門性の高い治療を展開しています。基本的に専門医が担当制をとり、一般歯科からインプラント、矯正、審美まで大学病院レベルの質の高い治療を行っています。クリニックによって1日の患者数は異なります。世田谷は昼休みもなく正月も開院しているので多くの患者さんが受診されますが、白金の場合は3つの診療ユニットで、15~20人程度です。1人の患者さんにかける時間はどこのクリニックも30~60分です。

私は一度に並んだ患者さんを治療するのが嫌いなので、一人の患者さんのためだけにその時間を使います。印象剤を練るのも、印象を取るのも、エプロンを外すのも自分でやります。大学病院の診療と全く同じやり方ですね。
患者さんを自分の歯に当てはめて治療しています。そうすれば、自ずと良いものを選択するようになりますから。

白金は設備が凄いですよ。歯科用CTスキャンは全国でもまだ1%程度の歯科医院にしか導入されていませんが、当院には、撮影時間25秒、実行照射時間はパルス照射により11秒と短い3D撮影が可能なスキャンを導入しています。これにより患者さんに必要以上のX線照射をすることなく診査・診断が可能です。
その他、ノーベルバイオケア社のインプラント埋入キットをはじめ豊富な治療器具をそろえてどのような患者さんにも対応できるようにしています。
そうした方針で経営して今のところ順調に推移しているので、この方針は堅持していきたいと思っています。

自由診療を希望される患者さんは多いのでしょうか。

患者さんに自由診療を積極的に勧めることはありません。必要に応じて説明をしますが、基本保険診療で行っています。

歩合制をとっているとお聞きましたが。

そうです。基本的にドクターは患者さんに迷惑がかからないよう週4日以上勤務しますが、歩合制をとることによって成果には報酬で応えています。勤務されたドクターで辞める方がほとんどいないのも、報酬のことと、それぞれが高い専門性をもってご自身の診療姿勢を貫ける態勢があるからだと思います。ドクターは担当した患者さんに対して責任をもって満足していただける治療を行う。これさえ全うすれば私から何かを言うことはほとんどないのです。私自身、人から命令されたり指示されることが好きではないですから。

院内ラボの利点は大きいでしょうか。

3名の歯科技工士によって審美的にも機能的にもそれぞれの患者さんに合った最高の補綴物を製作しています。外注は一切受けず、クリニック直結ラボとして当院の患者さんのためだけに運営されているので、ドクターや患者さんの要望が伝わりやすく、直接相談できる。何より製作日数がセラミックで1日と言うのは大きな利点ですね。2日後にはセットできますから、患者さんにとって良いことです。

【増患対策】

当院にはさまざまな患者さんが受診されますが、特徴的なのは口腔外科領域の患者さんが多いことです。増患対策としてとくに何かをしているということはありません。ホームページはあまり期待していませんが、患者さんの本音は「近くにある歯科医院に通う」ことだと思っているので、日々の診療姿勢が増患対策に結びつくと考えています。
最近、口コミで来院される患者さんが多くなったと実感しています。

【スタッフ教育】

マニュアルにしたがってスタッフ教育をするという方針はとっていません。ドクターはそれぞれが高い専門性をもっているので、気がつけば注意する程度で、ほとんどお任せしています。ただし、採用にあたっての面接には十分な時間をかけます。ある程度、お話させていただくとどの程度の技量をお持ちなのか、コミュニケーションスキルを身につけているのかといったことはわかるものです。

そういう経験を通じて、1つ言えることは歩合制を望む方はは確かな技術をもっているように思われます。ドクター以外のスタッフについても事細かに教育することはありません。私や先輩スタッフが気づいたときにアドバイスをするくらいです。
ここでもやはりコミュニケーションの大切さがあると思います。相談があれば聞き、若いドクターの良い点はどんどん取り込んでいく柔軟な頭を持っています。

【今後の展開】

世田谷に特化した、患者さんにとって便利な歯医者を目指して展開していきます。
ただ、完全個室で最新の設備にはこだわっていきたいですし、常に更新していきたいと思っています。

【開業に向けてのアドバイス】

 

まだ3年の私がアドバイスというのもおこがましいですが、昔は開業を勧めていました。しかし最近は見極めが大事だと思っています。開業に向く人、向かない人ってあると思います。失敗して借金を背負った先生を見ていると辛いです。
どんなに内装が良くても、ドクターに技術がなければ潰れてしまいますから。現実は厳しいと思います。

【プライベート】

プライベートの時間はどんなことをして過ごしていらっしゃいますか。

子どもがまだ7カ月なので、帰宅して子どもが寝るまでの間は一緒に遊んでいます。 活発に動くようになってきたので、目が離せず、大変ですね(笑)。休みの日には家族で出かけることが多いです。箱根などで山を眺めたり、ドライブを楽しんでいます。

【タイムスケジュール】

  • 医療法人 世航会 中島 航輝 理事長