歯科経営者に聴く ~第一線で活躍する院長から学ぶ~

富里中央クリニック

富里中央クリニック

千葉県富里市はスイカの産地で知られている。また成田空港に近いため、空港関連産業に勤務する人も多いという。成田駅、八街駅からバス便となる富里中央クリニックは、「愛と奉仕の精神」をモットーとする鉄筋コンクリート3階建てのクリニックだ。診療科目のひとつである歯科は、クリニック敷地内の別棟に建っている。
今回は富里中央クリニックの事務長にお話しを伺った。

富里歯科から富里中央クリニックへ

富里中央クリニック千葉県北東部にある富里市は成田市、八街市、印旛郡酒々町、山武郡芝山町・山武町の2市3町と隣接し、2000年、印旛郡富里町から富里市になった人口約5万人の町だ。市内に鉄道路線や鉄道駅はなく、隣接市の成田市や八街市からのバス輸送または東関東自動車道富里インターを利用する。

町の総面積の7割近くが山林・農地で、産業は熊本県とならぶスイカ栽培と、隣接する成田市の成田空港利用者の宿泊施設や空港関連サービスが盛んである。

1991年当時、富里地域の歯科医院数はおよそ10件。そこで地域住民のニーズに応えるため、同年3月、富里市七栄に開業したのが富里歯科だ。ユニット数4台、歯科医師、歯科衛生士、歯科助手、受付事務のスタッフ4名でスタートする。順調に患者数を伸ばした富里歯科は、1993年2月、歯科以外に内科・小児科・眼科・耳鼻咽喉科・皮膚科の診療科が増えてベッド数19床の富里中央クリニックに発展し、現在に至る。

なお取材当日の昼休み時間には、眼科の受診を希望する患者が来院した。富里中央クリニックが開業する以前はこの周辺に眼科医院がなかったというから、富里地域に住む人にとってなくてはならないクリニックといえるだろう。

「いらっしゃいませ」というクリニック

開業以来、地域住人の健康維持に十分応えている富里中央クリニックだが、それに満足しないで、今はホテル並みのホスピタリティを目指してスタッフ教育を行っている。

「クリニックの受付は、ホテルのフロントと一緒だと思います。ですから当院のスタッフは立って患者さんをお迎えし、サービス業に徹しています。患者さんも、椅子に座って言われるよりも気持ちがいいと思います。また初めての患者さんにはいいませんが、顔なじみになった患者さんには『いらっしゃいませ』といえるような良い関係になっています」

また問題点をスタッフに指摘する場合は、口頭だけでなく、書面も渡してきちんと伝わるようにしている。また患者からスタッフがほめられたときは、「患者さんが●●だとほめていたよ」と本人に直接伝えることで、スタッフのモチベーション向上につなげているという。

ひとつ屋根の下で、スタッフ全員が平等

富里中央クリニッククリニックの組織体系は理事長を筆頭に、院長、事務長、スタッフといったトップダウン式が普通だろうが、富里中央クリニックでは院長、事務長、医師・歯科医師、看護師、歯科衛生士、栄養士、事務など、クリニックに勤めるすべてのスタッフが平等であるという。

「当院ではスタッフ一人一人が行う仕事は違っても、すべて平等であるという意識を大切にしています。また食事会を頻繁に開いて、スタッフ同士のコミュニケーションを図っています」

勤務医もクリニック経営への努力を

富里中央クリニックは一般歯科に力をいれているので、インプラントのような審美歯科はできるだけ行わないという。保険診療をメインにしたクリニック経営について伺ってみた。

「来年からは会社が病院を作れるような時代になったので、クリニックも経営利益との戦いです。既成概念を取り払って、新しいことや人のやらないことに挑戦しないと生き残れません。ですから当院で勤務する先生も規定の時間さえ働けば良いんだという考えでは困ります。開業医の先生と同じように、クリニック経営への意識をもって努力していただいています」

経営理念

経営理念はどのようなものですか。

こういう経営をしたいと特に考えているわけではありません。患者さんに真摯に向き合っていれば、結果的に経営にもプラスになると思っています。あまり経営という面にとらわれてしまうと材料などにも歪みが出てきそうです。それは患者さんのためになりませんから、あくまでも患者さんに誠実でありたいです。

今後の展望

整形外科やリハビリテーション科などを開設予定です。

「『愛と奉仕の精神』をモットーに、全職員が全力を尽くして、最良の医療と思いやりのある看護に努め、富里地域の皆様の健康増進、やすらぎ、暮らしを支えていきたいと思います。」