歯科経営者に聴く - 株式会社バイテック・グローバル・ジャパン 鷲巣祐介代表取締役社長

歯科経営者に聴く ~第一線で活躍する院長から学ぶ~

株式会社バイテック・グローバル・ジャパン 鷲巣 祐介 代表取締役社長

日本全国で6,000件以上の歯科医院で取り扱われている『コンフォート』。入れ歯の裏面を生体用シリコーンというクッションで覆う新しい入れ歯の技術で、今までにないQOLを提案する株式会社バイテック・グローバル・ジャパン代表取締役社長、鷲巣 祐介氏にお話を伺いました。

株式会社バイテック・グローバル・ジャパン 鷲巣 祐介 代表取締役社長

株式会社バイテック・グローバル・ジャパン 鷲巣 祐介 代表取締役社長

プロフィール

  • 1974年 静岡県静岡市出身
  • 1997年 東京大学工学部化学生命工学科卒業 同年、株式会社リクルート入社
  • 2004年 株式会社バイテック・グローバル・ジャパン設立、現在に至る(資本金2.9億円)。

歯科業界に興味をもたれたのはいつ頃でしょうか?

実際に携わるようになったのは就職して数年後のことです。大学在学中に、「技術をサービスに昇華させる」ことをやりたいと考えていた折、リクルートが新しく『技術移転』の事業を始めるらしいと耳にし、リクルートに入社しました。

リクルート入社後、3年間は通信サービスの営業に従事し、4年目に『技術移転』の部署に異動しました。そこでは、バイオや半導体といった先端技術の特許化支援や、企業へのライセンス営業をし、そうした活動の中で、『コンフォート』の基になる技術に出会いました。

実際に『コンフォート』の基となる技術のライセンス営業をしながら業界の状況を知り、これは一般消費者のためにまだまだ改善できる余地がある業界だと感じたのが、興味をもったきっかけです。

それに目を留められたのはなぜでしょうか?

株式会社バイテック・グローバル・ジャパン歯科業界についていろいろ調べていくうちに、これだけニーズが明確であるならば大きなビジネスチャンスだと感じたからです。というのも、現在日本では2,500万人の方々が入れ歯を使われています。つまり5人に1人は入れ歯を使っているということです。その一方で、当然入れ歯に不満を持っている方も大変多くいらっしゃいます。

「噛めない」ということは日常生活に直結しており、これを解消するビジネスは社会的にも大変有意義です。特に高齢化社会が進行している現状では、歯を失ってからの20年、30年をいかに生きるか…ということは重要なテーマではないでしょうか。

また、「入れ歯」という言葉自体が心情的にネガティブなイメージを持っていることもあります。現状では「入れ歯」=「高齢者」という図式を容易に想像させてしまいますが、例えばメガネやコンタクトレンズは、皆さん何気なく使っていますし、他の人が使っていても全く気にしませんよね。それなら入れ歯だって同じように使われてもいいのではないか、もっと普通に、もっと気軽に使えるようになってもいいのではないか、と思ったからです。

そして起業されたのですね。

リクルートに在職中から起業の準備を始め、2004年の2月に当社を設立しました。入れ歯を利用されている方々が快適に「噛み締められる」ことを追求し、食べられないと思っていたものが食べられるようになったり、入れ歯が外れると恥ずかしいから控えていた外出や会合、旅行などにもどんどん出かけていったり、そんな前向きなライフスタイルのご提案をさせていただきたいという思いからスタートしました。

実際、歯科業界の感想はいかがですか?

それまで全くといっていいほど歯科業界には馴染みはありませんでしたので、一般のサービス業とはかなり違った印象でした。私たちがいろいろなお店で買い物したりすると当然相応のサービスを受けますが、それはごく普通のことで、あまり気にすることはありません。しかし、歯科の現場では、医療もサービス業の一つだという考えが広まってきてはいますが、まだ当たり前というところにまでは達していないような気がします。

それならば、弊社は『コンフォート』の技術を通して歯科医師様と協力し、全ての義歯利用者が「噛みしめられる」普通の生活を取り戻していただけるよう世界品質の補綴サービスを提供していかなければならないと考えています。

事業展開についてはどうお考えですか?

株式会社バイテック・グローバル・ジャパンごく簡単に申しますと私たちが目指しているのは、アデランスの入れ歯版です。入れ歯専門の医院様と提携して、入れ歯専門のネットワークを作ること。そこで患者様に『コンフォート』を提供・メンテナンスを受けていただくというスタイルです。歯科医院というより、サロンをイメージしていただいた方がいいかも知れませんね。そのため、入れ歯専門医院様の立ち上げのお手伝いや集客・経営のコンサルティング、人事関連業務の代行なども一部始めました。

提携させていただいている入れ歯専門の歯科医院様には、カウンセラー・補綴専門の先生・技工士が常駐されています。

カウンセラーは、お客様の要望を伺ったり、サービス説明、契約締結事務など、お客様のフロントに立つ役割を担います。高齢のお客様も多くいらっしゃいますので、いい話相手として、いい相談相手としてお客様との信頼関係を築きます。

ドクターは、患者様の中には部分床義歯の利用者も大勢いらっしゃいますので、残っている歯を大切にしながら、その方の生活を支える義歯を作るための治療計画の立案及び治療を行い、技工士と連携を図って口腔内環境を整えます。

技工士は、義歯製作の責任者として、患者様の入れ歯の不満を解消するためにどのような義歯を製作したらよいのか、その方針決めから医院内の技工室で製作までを行います。一般の歯科医院とは違って患者様と接する機会が多いので、より親密に患者様の要望を伺うことができますし、感謝の言葉を直接いただくことができます。

社長は特に技工士さんに思い入れがあるそうですが?

『コンフォート』は英語の[comfort]から命名しました、つまり[心地よい、元気づける、ほっとさせる]という意味です。その『コンフォート』を患者様に装着していただく際に最も重要な役割を担うのが技工士さんです。

一般の歯科医院ではどちらかと言えば縁の下の力持ちのような、表に出てこないイメージがありますが、弊社がお手伝いさせていただいている入れ歯専門の歯科医院様では一番患者様に接する機会が多いのは実は技工士さんなのです。義歯製作や調整の方法決定から患者様に対する今の義歯と製作方針の解説と説明、人工歯等の素材の選択、チェアサイドでの排列など、患者様1人あたり1~2時間かけてじっくり行なっています。ですから自分がつくった義歯を使っている患者様と直接触れ合い、最後まで責任をもって仕事をし、患者様から「ありがとう」の一言をいただけるのは、職人冥利につきるのではないかと思います。国家資格ですから、もっと技工士さんにスポットが当たっても良いですよね。

『コンフォート』を中心とした製品展開についてはどうお考えですか?

株式会社バイテック・グローバル・ジャパン『コンフォート』自体については現在、次世代の素材について研究開発中です。『コンフォート』の特長である、クッション性・吸着力・抗劣化をより高品質化して、よりリーズナブルに提供させていただき、患者様に喜んでいただきたいと考えています。また、TPOに合わせた入れ歯があってもいいのではないかと考え、そちらも検討中です。

『コンフォート』関連商品として、『コンフォート』のシリコーン面の汚れとデンチャープラークを同時に落とすオールマイティーな強力酵素洗浄剤「クリネ」や超音波洗浄器とは思えないファッショナブルなデザインの「ウロハミック」などを提供しています。義歯洗浄剤「クリネ」はデザイン・パッケージングにも配慮してプロのデザイナーがデザインしています。その他にも、入れ歯を長期間使っていると、毎日の生活習慣から顔の筋肉が硬くなってしまい、入れ歯の機能を邪魔することがあるという先生からのご意見を受けて、定期的なフェイシャルマッサージでお顔の筋肉を健康に保つことを提案させていただいています。私も実際にマッサージを受けましたが、なかなか気持ち良いものでした。

人事採用担当の佐野氏にもお話を伺いました。

株式会社バイテック・グローバル・ジャパン人事採用担当の佐野さん佐野様の業務内容はどのようなものですか?
私の主な業務は、取引先歯科医院様の求人代行業務です。特に『コンフォート』提携医院様の依頼で求人関連を一手に引き受けることが多いですね。また、技工士さん求人の要望も多いので、場合によっては弊社から技工士さんを医院様へ出向させる場合もあります。

一般社会常識だけでなく、じっくり患者様とお話のできる方、プロ意識をお持ちの方、良い入れ歯を提供したいという思いがある方には是非お会いしたいと考えています。あとは弊社社長の鷲巣のような、とは言いませんが、ポジティブシンキングのできる方は特に大歓迎です。